理事長就任のご挨拶

一般財団法人難病治療開発機構の第19回理事会と臨時評議員会(2024年2月)にて全員一致でご推挙いただき、2024年3月より西岡久寿樹前理事長の後任として、本財団法人の第3代理事長を拝命いたしました東京大学の高柳広でございます。理事長として本財団法人の運営に携わります事を大変光栄に存じております。これまでの整形外科診療、リウマチ学・骨免疫学の基礎研究等で培った経験を活かして、理事・評議員の方々と力を合わせ財団の運営を推進していく所存です。

本財団は2012年4月の設立から12年を過ぎたばかりの財団法人です。難病の範囲はあまりにも広範囲であり、その内容も千差万別ですので、患者様に手を差しのべることのできる範囲にも限りがあることを十分承知の上で、出発しました。設立当初の創設者一同による「患者さんのために」という熱い想いを根底に保ちながら、小さな財団ですが、難病の原因究明・治療法開発・社会実装に向け、実現可能なところから着実に実行に移し、国内外の調査研究事業や普及啓発講演会事業、研究協力助成事業及び国際学術交流事業を実施してまいりました。

日本が指定難病として認定している疾患は令和6年4月1日現在で341疾患ありますが、治療方法が確立していない疾病が多く病態解明も道半ばのものが多いのが現状です。そのため、患者さんと医療者、研究者、製薬会社や関連企業、省庁などとの連携が必要であり、その役割を果たすことも重要な仕事と考えています。また、難病は今や、難病患者さんにとって「生か死か」だけの問題ではなく、「いかに自分らしい充実した時間を生きるか」が重要な問題となってきた時代にあります。このため当財団は、患者さんの命を救うだけでなく、患者さんのQOLを向上し、難病とともに生きられる社会の実現に貢献し、国民の健康と福祉の向上に寄与する使命も担ってまいりました。

近年の医生物学の発展により、難病の原因解明や新規治療法開発に明るい未来が見え始めてきております。本邦における難病対策も進化を見せていますが、まだまだ成長過程にあります。それ故、この財団法人に課せられた責任は重いと自覚し、前進を続ける所存です。一方、現在、本財団をとりまく環境は、昨今の社会・経済状況下で年々厳しくなっており、事業を発展させることが困難になりつつあるのも事実です。つきましては、今後、より一層、財団の活動を活性化できるよう、一般市民の皆様、関連の企業様を含めてより多くの皆様から温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。本財団の目的と活動趣旨にご賛同いただける方々におかれましては、何卒この機会に、賛助会員として本財団の活動にご参加いただけますよう切にお願い申し上げます。

以上、理事長就任にあたり、ご挨拶をさせていただきました。これからも、皆様の御指導、御鞭撻をどうかよろしくお願い申しあげます。
2024年4月1日

一般財団法人難病治療開発機構 理事長
高柳 広
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